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貸金業務取扱主任者の国家試験の例題について

貸金業務取扱主任者が国家資格となりますが、その例題が貸金業協会から公表されました。
公表されている例題を貸金業法から検討してみたいと思います。


例題

資金需要者の返済能力調査に関する次の(1)〜(4)の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選びなさい。

(1)貸金業者が個人顧客との間で貸付けの契約を締結する場合、貸金業者は、当該顧客の返済能力を調査しなければならず、当該契約を締結したときは、その調査に関する記録を作成し、これを一定の期間保存しなければならない。

(2)貸金業者が個人顧客との間で貸付けの契約(極度方式貸付けに係る契約その他の内閣府令で定める貸付けの契約を除く)を締結するには、指定信用情報機関が保有する信用情報を使用して返済能力に関する事項を調査しなければならない。

(3)個人顧客との貸付契約締結に当たり貸金業者が行う返済能力に関する調査に際し、当該契約に係る貸付金額と自社の当該顧客への貸付残高を合算した額が50万円を超えることが判明した場合、貸金業者は、原則として、当該個人顧客から源泉徴収票その他その者の資力を明らかにする書面又は電磁的記録の提出又は提供を受けなければならない。

(4)貸金業者が個人顧客との間で極度方式基本契約を締結した場合、当該貸金業者は、当該貸金業者の貸付残高の多寡にかかわらず、毎月、指定信用情報機関の保有する信用情報を使用して、基準額超過極度方式基本契約に該当するかどうかを調査しなければならない。

正解(4)


この例題について、問題文(1)を題材に検討してみます。

(1)貸金業者が個人顧客との間で貸付けの契約を締結する場合、貸金業者は、当該顧客の返済能力を調査しなければならず、当該契約を締結したときは、その調査に関する記録を作成し、これを一定の期間保存しなければならない。

貸金業法(第二段階施行以降・平成19年12月19日以降)(現行)
(過剰貸付け等の禁止)
第13条  貸金業者は、顧客等の資力又は信用、借入れの状況、返済計画等について調査し、当該顧客等の返済能力を超えると認められる貸付けの契約を締結してはならない。

貸金業法(第三段階施行以降・平成19年12月19日から1年6ヶ月以内の日以降)
(過剰貸付け等の禁止)
第13条  貸金業者は、顧客等の資力又は信用、借入れの状況、返済計画等について調査し、当該顧客等の返済能力を超えると認められる貸付けの契約を締結してはならない。
2 貸金業者は、指定信用情報機関が保有する信用情報を使用することが可能な場合において、個人である顧客等と貸付の契約を締結しようとするときは、当該信用情報を使用して、前項の規定による調査をするよう努めなくてはならない。

ここまでで検討すると、返済能力の調査はあくまで「努力義務」であることが判ります。
しかし、問題文では、しなければならない「義務」となっています。この問題文は例題では正しい内容となっています。

貸金業法(第四段階施行以降・平成19年12月19日から2年6ヶ月以内の日以降)(完全施行)
(返済能力の調査)
貸金業者は、貸付けの契約を締結しようとする場合には、顧客等の収入又は収益その他の資力、信用、借入れの状況、返済計画その他の返済能力に関する事項を調査しなけれればならない。
2 貸金業者が個人である顧客等と貸付けの契約(極度方式貸付に係る契約その他内閣府令で定める貸付の契約を除く。)を締結しようとする場合には、前項の規定による調査を行うに際し、指定信用情報機関を使用しなければならない。
3 (省略)
4 貸金業者は、顧客等と貸付の契約を締結した場合には、内閣府令で定めるところにより、第一項の規定による調査に関する記録を作成し、これを保存しなければならない。
5 (省略)

完全施工日以降は、返済調査調査は義務となり、個人向け貸付の場合には指定信用情報機関の利用も義務となり、さらに調査の記録を保存がが義務づけられています。したがって、問題文(1)の内容は完全施工日以降は正しいということになります。

貸金業務取扱主任者の国家資格は完全施行日以降の貸金業法が問題となっていますので、この点に留意が必要です。

以下、貸金業協会のサイトから抜粋です。

出題の根拠となる法令の基準日(案)

(1) 「貸金業法」、「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」、「利息制限法」は貸金業法の完全施行を含む範囲とする。
(2) 「貸金業者向けの総合的な監督指針」、「貸金業の業務運営に関する自主規制基本規則」、「苦情処理及び相談対応に関する規則」、「『苦情処理及び相談対応に関する規則』に関する細則」は貸金業法の3条施行を含む範囲とする。
(3) 上記以外の関係法令は平成21年1月1日現在施行されているものを対象とする。

行政書士 星野事務所

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